犯罪被害者の遺族が中学生や高校生に体験を語る試みが全国で広がりつつある。犯罪被害者への理解を深め、社会全体で支えることを目指すための取り組みだが、遺族の講演に伴うアンケートの結果から、生徒の自殺防止につながる効果があることも分かってきた。モデル事業を行ってきた警察庁は来年度以降、同様の取り組みを全国で積極的に広める方針だ。
<「私が死んでも誰も悲しまないよ」とずっと思っていました。だけど、自分の代わりになる人なんていないんだ。だから今の自分にできることを、これからの人生をがんばろうと思いました> <人間関係がうまくいかなくて、死にたいって思ったことが何度かありました。でも生きたくても生きられない人がたくさんいるのに、自分から死にたいと思うのはいけないと思いました。自分の命、他人の命ぜんぶの命を大切にしていきたいです> 08年夏から秋に宮城県内の中学4校で行われた犯罪被害者に関する講演への生徒たちの感想だ。講演では、横断歩道を渡っていた当時8歳の息子を信号無視の大型トレーラーにひかれて亡くした母親の手記が朗読された。 宮城県警は4校生徒約1000人に対し、講演前と講演後に同じ内容を尋ねる用紙を配った。回答結果を「自己肯定感」「生きる意思」「社会的きずな」「感受性」に分類して分析すると、すべて講演後の方が統計的に高くなった。とりわけ、感想を自由に記述する文面からは、自殺を思いとどまろうとする態度が顕著にうかがえたという。 警察幹部は「遺族が体験を語るのは負担が重いが、遺族自身の癒やしだけでなく、生徒たちの自殺防止につながる傾向があり、とても意義深い」とみる。 警察庁は08年度と09年度の予算で、こうした「命の大切さを学ぶ教室」に計1300万円を計上し、犯罪被害者を支援する民間団体などと連携して、全国10道府県のモデル地域で被害者遺族による講演などを行ってきた。モデル地域以外でも同様の取り組みは広がりつつあり、来年度以降は全国の都道府県警に浸透させるとしている。【千代崎聖史】 【関連ニュース】 <特集>忘れない 「未解決」を歩く 犯罪被害者の会:新補償制度創設要求を決議 殺人時効:ひき逃げ死亡遺族からは不満の声 公訴時効:殺人、廃止答申へ 遺族「歓迎」と「不満」 自殺防止:国防から自殺防止へ 自衛隊幹部候補生、僧侶に転身 入院生活が契機 ・ 明治神宮前(原宿)駅「JR線ではありません」(読売新聞) ・ <5歳児餓死>「夫婦不仲、子に矛先」逮捕の母供述(毎日新聞) ・ 「東国原知事、カタカナ語控えて」県議が迫る(読売新聞) ・ 公明と選挙協力「ない」=小沢氏(時事通信) ・ <電気機関車>EF510を公開 ブルトレけん引の新型車両(毎日新聞)
by 82cj5rumc5
| 2010-03-09 04:33
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